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真紅のカートリッジ
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真紅のカートリッジと呼ばれたメタルがあった。
それは、この惑星の全てを、砂鉄に還元するためのプログラムが記録されていた。
万能神の手綱、すなわちゾーンシステムに読み込ませ、実行することで、世界を自由自在に破壊できる。
その昔、この惑星を崩壊の一歩手前まで追い込んだものの正体である。

スターンランド第3軍
 大陸制覇を狙うスターンランド王国は、真紅のカートリッジを探索していた。
それを察知した商社アルーシャは、トレジャーハンターのラスティーにも探索を依頼する。
 アーウィン国を舞台に繰り広げられた争奪戦の結果、ラスティーは、ついに真紅のカートリッジを手にしただった。
だが、フローレシア国にあるアルーシャ本社に輸送する際、ラスティーは、スターンランド第3軍、そして総司令官ジェイナス中将と遭遇する。

 強靭なメタル鎧の「機動装甲兵」に手も足も出ず、しかもジェイナス中将は、ラスティーと同じモーターアクトだった。
 決戦の末、ラスティーは敗退してしまう。
 だが隙をついてリュシィに救助され、フローレシアにたどり着くのだった。
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開戦前夜
p1  数日後。スターンランド王国は、シーレン国との国境付近に、主力の第4軍を中心として、兵力を集結させつつあった。
 冷徹、そして軍才に恵まれた女将軍ユウ・スティール中将の軍団である。
 スターンランド王国と、その他国家との外交も、次第に薄れゆき、大陸全土に、戦の気配が漂いはじめた。

 事態を重く見たシーレン王国は、アーウィン国、フローレシア国と連合を結び、国境付近最大の基地マリエンベルクに兵力を集め始めた。
 過去に幾度も戦乱のあったラングラード大陸だが、今次の戦は、大きなものになると、誰もが予想していた。


 兵力は、スターンランド全軍が5万。対する連合軍は10万である。
 明らかに連合軍有利だが、スターンランドは強気な態度を変えなかった。
 あくまで噂のレベルだが、スターンランドは常識破りのメタル兵器を実用化した、とか、魔獣を操る技術を確立したとも言われていた。
 噂の真相は定かではない。しかし、嘘と切り捨てるにはあまりにも情報が少なすぎた。
 連合軍は、何度も偵察隊を送り込んだが、連絡は次々に途絶え、成果はまったく上がらなかった。
 戦が始まる前から、互いの情報戦が始まっていたといえる。
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返済の旅……なの?
そんな情勢の中、傷の癒えたラスティーには、厳然たる現実がつきつけられていた。
莫大な借金の返済期限は目前に迫っていたのである。
助かる手段はただ一つ。
シーレン王国のギュンター大佐と傭兵契約を結び、その報酬を返済にあてることである。

国家同士の思惑が渦巻く中、
相も変わらず返済にひた走る、女トレジャーハンターの物語は今日も続く……
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